2021/03/13 23:18

● ▲ ■ のロゴについて少し。



素直にいい形を、と思っています。

ずっと彫刻でも形とひたすら向き合ってきたから。

もうひとつ、自分の中の深いところにずっとある、江戸時代の禅僧の仙厓義梵(せんがい ぎぼん)の書いた禅画
「○△□」。
強く想うのではなく、今はもう深いところに静かに この禅画が自分の中にあります。

20代の頃から、禅の思想やら禅画やら、禅の呼吸法やら、とても想うところがあり好きで。
仙厓さんや白隠さん、修験僧の円空さんや木喰さん。好きで。
彼らにとってはきっとそれらは教えの表出であって、美術でも芸術でもなく。 
それでも、それだからこそ、彼らのてらいのない表現にひかれていました。


十牛図なんかもとても心に響くものがあり、今でも自分の奥深くで静かに大切にしています。


調べれば多分いろいろ出てくるこの禅画の解釈、円相や真理やそんなこと。でも今はそういうものは遠く。

私にはこの「○△□」は、○でも △でも □でもいいんだよ〜って、そう言ってくれているような気がするんです。
それぞれ、いいかたちですよ、ねぇ〜って、難しく考えなさんなって、なんかそう言ってくれてる。


大そうな円相も、饅頭にして「これ食うて茶ぁのめ」ってそう言ってくれる仙厓さんだから。
死ぬ間際に「死にとうない」って、そんな この世を愛おしむ仙厓さんだから。


特にこの禅画を意識して生きていたわけではないけれど、子供を産んで 一生懸命に過ごしていた先に ふと現れてくれた「今を楽しんで生きる」ってことが。
20代も30代もあれやこれや知識を入れ込んで本を読み漁って必死に求めて、実践して、パンパンになるまでやって。
そんで、ふと力が抜けたその時に いつしか自分で意識することなく ずっと近づきたかった「いま ここ」に、しっかり息をして 在ることのできている自分がいることに気づいた時に。

なんだか仙厓さんのこの禅画が心の中に浮かんだんです。
それでいいよーって。

それは自分自身にも、そして 大切な他者にも。



革製品を本気で作ってみようと、そして刻印のことを思った時、自然に ● ▲ ■ が浮かびました。


素直に いいかたちを。 




いい形を、いまここを一所懸命に生きて、楽しんで、作っていけたらと思っています。 






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